■現在の北朝鮮海軍の軍事称号−階級（筆者整理）

　北朝鮮海軍で実際に次帥の階級を持っている人物は、前海軍司令官金鎰��1名のみである。北朝鮮海軍軍官（将校）の階級は、将官級（大将、上将、中将、少将）、佐官級（大佐、上佐、中佐、少佐）、尉官級（大尉、上尉、中尉、少尉）で構成されている。佐官級が韓国の領官級に該当する。

　下士官（副士官）階級は、特務上士、中士、下士で構成されている。一般兵士の階級は、元来2段階（上等兵、戦士）で構成されていたが、1998年前半期に4段階（上級兵士、中級兵士、初級兵士、戦士）に改編された。

　上の階級章は、「北朝鮮解体新書、小学館」、「金正日大図鑑、小学館」、「最新朝鮮報道の軍事情報、講談社」等、日本資料を土台に整理したものである。上の階級章の図の中に海軍下士の階級章と海軍中級兵士の階級章は、多少不確実である。「最新朝鮮半島の軍事情報」を見れば、海軍下士階級章と海軍中級兵士の階級章が同じ模様で描かれている。FASに公開された「North Korea Country Handbook」を見れば、北朝鮮海軍下士の階級章は、上下の黒色の線が中の黒色の線より相対的に太く描かれている。これを基準に海軍下士の階級章を 描き、海軍中級兵士の階級章は、黒色の線3本を同じ幅で描いた。

■参考−北朝鮮海軍の階級（出所：韓国国家情報院公式Webサイトwww.nis.go.kr）

■参考−北朝鮮海軍の階級（出所：韓国合同参謀本部公式Webサイトwww.jcs.go.kr）

　上の階級章には、上等兵と戦士だけが出ている。これは、現在の階級体系ではなく、1998年以前の階級体系である。上の図において、特務上士〜戦士の階級章は、正式の階級章ではなく、Collar Tabs（襟章：襟、首の州のカラーに付ける階級章）である。

■北朝鮮海軍の軍服（現在）

　韓国の法令（軍人服制令）によれば、国軍の制服着用方式は、礼装（礼服、晩餐服）、正装（制服、略制服）、戦闘装（戦闘服、作業服）に区分する。北朝鮮は、いかなる方式で軍服を区別するのか確実ではないが、上のFAS資料上では、Full Dress Uniform、Service Uniform、Work Uniform等が登場する。Full Dress Uniformが礼服に該当するようで、Service Uniformが制服、Work Uniformが作業服乃至戦闘服に該当するようである。

　上の写真は、彼らの国旗（いわゆる人工旗）を掲揚する北朝鮮海軍上士の写真である（写真出所：最新朝鮮半島の軍事情報、日本講談社）。上士は、Service Uniform（制服に該当）を着ている。左右に夏季制服を着た軍官が見える。

　上の写真は、艦艇上で作業服（Work Uniform）を北士兵達の姿である。

■　朝鮮戦争当時の北朝鮮海軍軍官（写真出所：戦争記念館展示物撮影）

最終更新日：2003/05/25